むかしの山・北岳バットレス四尾根下部フランケ~上部フランケ~中央稜ノーマルルート

むかしの山
08 /12 2014
1985年7月20日(土) 天気:晴れ、にわか雨

前回のとき(約1か月前に4尾根を登りに来た時のこと)に全く眠られず、つらい思いをしたので、
今回は21時の列車で出発し、広河原ロッジの軒下で仮眠をする。
広河原から二俣まで大樺沢から山頂をめざす登山者と前後しながら歩く。
会社のグループか何かなのだろうか、久しぶりの山歩きにバテながらも和気あいあいと楽しそうだ。
山はたった一月でこれだけ変わるものだろうかと思うほどに、雪が消え夏山の装いとなっている。
取付までのアプローチも高山植物の咲き乱れる尾根をたどってということになる。
本当ならルンルンというところだが、一月ぶりの山行で身体が重くバテ気味。

取付で元会員のSさんに会う。
とてもなつかしくうれしかった。
山で思いがけず、知った顔に出会うのは、知らない人と友達になるのと同じくらいうれしい。

Dガリーの大滝2Pで下部フランケの取付。
1P目は先行Pがつまっているので右の方から登る。
2Pは核心部のⅣ級のフェース。見た目はそれほどむずかしそうに見えなかったのだが、
チョークをたっぷりつけて気合を入れて・・・もダメなものはダメ。
シュリンゲをつかんで強引に登る。
続くクサビ形ハングは腕力もはてているし、
シュリンゲもビナも少なくなっているので不安だったが、思ったよりはラクに登ることができた。
このピッチは相当、時間をくったが、3P目、4P目は順調にザイルをのばす。
とはいうものの、4P目のリードも、
チョックストーンを越えるところ、ハングを左から回り込むところは恐かった。

先行Pは四尾根に消え、5P目からは私達だけとなる。
5P目を終え、上部フランケにトラバースしようというところでにわか雨が降り出す。
シートをかぶってしばらく様子をみていると、雨はやんだが雷は鳴り続けている。
登ろうかどうしようかと迷ったが、結局上部フランケの取付でビバークすることにする。
ツェルトを張り、ビバーク態勢を整えているうちに、また雨が降り出す。
ツェルトの中で、早速お酒を飲んでいると(わたしは飲めないので同行者が飲んでいるだけ)、
外が明るくなり、ツェルトから顔を出してみると、
真正面に富士山が、くっきりと浮かび上がっていた。

7月21日(日) 天気:晴れのち雷雨
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むかしの山 一ノ倉沢南稜フランケダイレクトルート 85年5月

むかしの山
10 /29 2007
前の記事の幽ノ沢の翌日です。

メンバー:Yさん

今日のルートは短いので、ゆっくり起きてのんびり出発する。
大嫌いなテールリッジもビンビンに乾いているのでフリクションがきき登りやすい。

中央稜基部で登攀具をつけていると衝立岩でものすごい大きな落石があり、思わず息をのむ。

取り付きは鎌形ハング。



1P目はA1の人工。
自信はないがトップで行かせてもらう。
フリーの部分もⅢ級だが、濡れていてなかなかいやらしい。
A1とはいえハングしているので態勢が決まらない。
すぐ腕は疲れてくるし、フィフィで休んでばかりいるのでちっとも進まない。
この1Pで1時間くらいかかってしまった。

2P目Yさんはあっという間に登ってしまったが、
途中ザイルが足らなくなってビレー点を上に上げたり、
ザイルが途中で引っかかったりして時間をくう。

3P目このルートの核心部、Ⅴ級のピッチ。
さんざん迷ったが、やはり私がトップで行かせてもらう。
Ⅴ級といってもピンがいっぱいあってランニングをバシバシとれるので
幽ノ沢で感じたような恐怖感はなく、落ち着いて登れた。



ハング下の左へのトラバースは足が短く不安定な態勢になるので遠慮なくA0を使う。

その上はあまり面白くないとYさんが言うので少し残念な気もしたが、
そのまま南稜にトラバースして下降した。

7:15一ノ倉沢出合ー8:30中央稜基部ー9:00登攀開始ー12:10登攀終了ー14:25一ノ倉沢出合

むかしの山 幽ノ沢中央壁正面ルート 85年5月

むかしの山
10 /27 2007
メンバー:Yさん

2時15分に土合に着き、その足でセンターに寄り計画書を出して一ノ倉沢の出合まで入る。
駐車場の横にテントを張り、朝食をとる。
眠い、ダイヤが変わったせいで列車の中で眠れる時間が短くなった。
いっそこのままゴロンと横になってしまいたい。

が、そうも言ってられないので、出発する。
幽ノ沢のアプローチは快適なスラブで私は好きなのだが、まだ雪が大分残っているのでところどころ少々恐い。
でも時間的には早くカールボーデンの下に着いた。
カールボーデンは大きな雪のブロックがゴロゴロしている。右か左かずいぶん迷ったが、左のブッシュのヘリぞいにトラバースしていった。
上から見た感じでは右から来た方が楽だったみたい。

私達2人が正面ルート、左ルートに3人パーティー、そしてV字の右に2人パーティー。
この7人が今日の幽ノ沢の人口。






取り付き手前のテラスからアンザイレンしていく。
1P目の草付きは私トップ。
ピンがないので緊張する。
2P目は左上トラバースしてテラスへ。
3P目は右へⅣ級のフェース。
ピンが少なくて恐い!
4P目はこのルートの核心部、ルート図によるとA0のピッチだ。
ハングの切れ目に向かってボルトが連打されている。
ボルト打ちの異名を持つYさんはさっそく古いボルトを新しいボルトに打ち変えている。
セカンドだったのでハングをフリーで越え、不安定な草付きテラスへ。
5P目、フェースを直上してカンテを越える。
このピッチがⅢ級だなんてウソだ!
カンテを越えてからはピンもなく、落ちない落ちないと呪文を唱えながら登る。
6P目はブッシュの中、背中のピッケルがジャマくさい。
あとはブッシュまじりのフェース。
傾斜もゆるくⅡ~Ⅲ級のピッチなのだが、ピンがなくところどころぬれていたりしてやっぱり恐い。



12P目で一応登攀終了とする。
しかし大きな雪渓が残っているのでザイルを1本つけたまま中央壁の頭に向かう。
今までジャマだったピッケルが役に立つ。

堅炭尾根の下り。
例によってまた間違えてブッシュの中をトラバース。
間違えないようにしようって話ながら歩いているのに・・・なぜなんだろう。

4:50一ノ倉沢出合ー6:35取り付きー7:20登攀開始ー13:00登攀終了ー13:35出発ー14:25堅炭尾根ー16:50芝倉沢出合ー17:45一ノ倉沢出合

むかしの山 武能岳西尾根 85年4月

むかしの山
10 /26 2007

メンバー:Mさん、Aさん

無人駅となった土樽駅でたった1人パートナーを待つ。
昨夜いた3人の登山者と2人の釣り師はすでにいない。
外は曇り空ながら雨は降っておらず、ホッとする。
7時の列車で前夜車で土合まで来ていたMさんとAちゃんが到着する。

駅のまわりには全く雪がない。
荒沢山の尾根にも雪がない。
去年茂倉岳北西尾根に行ったときは蓬沢を雪の上を歩いて渡ることができたが、
今年はすっかり沢が出ているので渡るのに苦労する。

土樽駅から1時間ほどで西尾根の取り付きである。
下部のブッシュをさけて少し沢ぞいにすすみ、トラバースしながら登って尾根に出る。
尾根上に出てみるとブッシュが少なく、
わりとスッキリしているのでラッセル訓練に向いているようだ。

視界は良好で展望を楽しみながら高度をかせいでいく。
しかし登るに従ってガスが出てきてついに雨が降り出す。
風も強い。

稜線に出て武能岳を往復し、蓬峠を目指す。
ガスで視界がきかず、どこが蓬峠なのかわからない。
蓬峠には小屋があるはずと目をこらすが何も見えない。
仕方なくカンを頼りに適当に下る。
白一色の世界にブッシュが見え、
それが樹木に変わり、その間をつなげるように下っていくと蓬沢に出合った。

あとはずっと沢沿いにシールのあとを追って下った。

7:30土樽駅ー8:30西尾根取付ー12:15稜線ー12:35武能岳ー14:00蓬沢ー15:25土樽駅

むかしの山 八ヶ岳南峰リッジ 85年3月

むかしの山
10 /26 2007


メンバー:Aさん

アルプス11号から茅野に降りたった登山者はわずか6人であった。
その中にGクラブの2人パーティーがおり、一緒にタクシーで美濃戸口まで入る。
北西稜に行くというGクラブパーティーは美濃戸口に着くとすぐに出発していった。
わたし達は湯をわかして朝食をとり、身支度を整える。
寒いが外にいられないほどではない。

美濃戸口から美濃戸までの道はスケートリンクのようにツルツルに凍りつき、
用心していても転んでしまう。
2週間前(*1)に較べ、雪は大分ヘリ、よくしまっている。
美濃戸山荘のあたりで八ヶ岳の向こうから夜が明けてきた。

行者小屋から文三郎道に入る。
八ヶ岳にしては人が少ない。
見おろす行者小屋にもテントは数張りしか見えない。
しかし南峰リッジにも主稜にもすでに取り付いている人がいる。

文三郎道からまっすぐに雪面を登り、南峰リッジに取り付く。
予定では1番右の中央稜を登るつもりであったが、
先行パーティーの足跡に導かれるままに1番左側を登ってしまった。
岩壁というよりは岩稜という感じで特に緊張させられるようなところもない。
ただ風が強く吹きとばされそうになる。
しかし2週間前と違って天気が良いので救われる。
5ピッチで登攀終了となり、赤岳南峰に出る。

Aちゃんと握手を交わしザイルを解く。
簡単で短いルートであったが、2人だけで登れたことにわたしはとても満足した。(*2)

下りも文三郎道から行者小屋へ下りた。
行者小屋にはすでに北西稜を登ったGクラブパーティーがおり、その早さにビックリした。
美濃戸山荘の手前でうっかり道を見失い、沢沿いをラッセルしてしまった。
そのために最終バスに間に合わず、タクシーの同乗者も見つけられず、手痛い思いをする。

4:30美濃戸口ー5:30~45美濃戸ー8:00~30行者小屋ー9:30~10:00南峰リッジ取付ー12:55~13:20赤岳山頂ー14:00~45行者小屋ー16:05~35美濃戸ー17:05美濃戸口




(*1)前の記事にある石尊稜を登ったときのことです。
(*2)Aさんは当時入っていた山岳会の後輩の女の子。女2人だけで登れたことに意義を感じていたのです。

nincabe

学生時代から趣味の山登りを続けています。出産子育て中のお休みをのぞいても30年以上になります。
若いころのようながむしゃらさはなくなりましたが、今も月2回は山に行きます。

そんな山の記録を中心に綴っていきます。